不動産クラウドファンディングで得られる分配金の仕組みを理解する | 利回り不動産《RIMAWARIBLOG》

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不動産クラウドファンディングで得られる分配金の仕組みを理解する

2021/12/01

更新日 2022年9月30日

利回り不動産がお届けする「資産運用ブログ」=RIMAWARI BLOG
本記事のテーマは「不動産クラウドファンディングで得られる分配金の仕組みを理解する」です。

「不動産クラウドファンディング」とは、インターネットを通じて一般の投資家から資金を募り、集まった資金で不動産の取得や運営を行うこと。
そして、事業者は、不動産から得た賃貸料や不動産売却益などを「分配金」として投資家に還元する仕組みになっています。

この分配金利回りの平均は、2〜8%ほどと言われており、不動産クラウドファンディングは銀行預金や株式配当より高い分配金利回りが期待できる上、さらに少額投資が可能なため、気軽に始められるのが特徴です。
しかし、案件によって分配金利回りや分配金を受け取れる回数はさまざま。
今回は、そんな分配金の仕組みや受け取り方、税金について解説していきます。

この記事はこんな人にオススメ
  • 不動産クラウドファンディングで得た収入にかかる税金を知りたい
  • 確定申告はどうしたらいい?

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不動産クラウドファンディングの分配金とは何?

不動産クラウドファンディングで投資家が得られる「分配金」とは、不動産の運用で生じた最終的な利益を事業者が投資家に分配する収益のことを指します。

この事業者は、国もしくは都道府県から許可を得たいわば不動産運用のプロフェッショナルです。
その事業者は、賃貸収益(インカムゲイン)か、売買収益(キャピタルゲイン)の2つから運用益を得ます。
事業者が、このどちらで運用益を得ようとしているのか、それは案件ごとに異なり、投資家は契約成立前書面にある記載を確認し、どのファンドに投資するかを決定します。

実際には、2つの運用益のどちらかに100%偏っていることは少なく、それぞれの比重をパーセンテージで大きく設定している場合がほとんどです。

それぞれの特徴は以下の通りです。

賃貸収益(インカムゲイン)とは、入居者からの賃貸料収入を収益源とするものです。
厳密には、
賃貸収益(インカムゲイン)=賃貸料収入−不動産管理費用
※不動産管理費用は、募集費や広告費、修繕費、原状回復費、保険料、管理費など
となります。

賃貸料収入を収益源とするインカムゲイン型の特徴は、景気に左右されにくいという点です。
景気の良し悪しに関係なく、人には住居が必要なため、賃貸物件の入居率や賃貸料収入は比較的安定しています。
もちろん、なんらかの理由で当初の目論見よりも入居率が低くなった場合、賃貸料収入が減って、分配金利回りが低くなることもあります。

しかし、居住用物件では、急激な入居率の低下は想定しにくく、分配金利回りの低下幅もそれほど大きくならない可能性が高いといえるでしょう。

売買収益(キャピタルゲイン)とは、購入した不動産を、購入したときより高い価格で売却することで得た売却益を収益源とするものです。
厳密には
売買収益(キャピタルゲイン)=購入した不動産の売却益−不動産取得費用
※不動産取得費用は、登記費用・不動産取得税、媒介手数料など
となります。

取得不動産の売却益を収益源とするキャピタルゲイン型は、予想よりも最終的な分配金利回りが上下しやすいという特徴があります。
例えば、当初の想定より高い価格で不動産を売却できれば、分配金利回りが上がります。
なかには追加配当を受け取れるファンドもあるようです。
その一方で、当初の想定よりも不動産価格が上がらなかった場合、売却益が少なくなり、分配率が低くなることもあります。

分配金の受け取り方法

すでに耳慣れた言葉になった「クラウドファンディング」ですが、そもそもこの仕組みは、不特定の個人がインターネットを通じて、企業や個人の課題解決策に共感して行う「投資」の1種です。

投資自体、金銭的な見返りを求めない「寄付型」「購入型」のほか、投資家にリターンを金利として返す「ソーシャルレンディング型」など、いくつかの種類があります。

分配金を投資家に返す「ソーシャルレンディング型」に含まれるのが、「ソーシャルレンディング」と「不動産クラウドファンディング」です。
大きな違いは「ソーシャルレンディング」が株や金融商品など、運用方法がさまざまであるのに対し、「不動産クラウドファンディング」は不動産に限定して運用されるという点です。

まず、分配金の支払い時に、不動産クラウドファンディング事業者が源泉徴収を行います。
そして、残りの部分を投資家の銀行口座か、不動産クラウドファンディングサービス内にあるデポジット口座に振り込まれます。
この際、投資家が行わなければいけない手続きがほとんどないことが、不動産クラウドファンディングの魅力の1つとも言えるでしょう。

分配金にかかる税金とは?

先に、不動産クラウドファンディングからの分配金は、受け取る前にあらかじめ事業者によって源泉徴収されているとお話ししました。
そのため、分配時に納税の手続きを行う必要はありません。

ただし、税務上、不動産クラウドファンディングの分配金にかかる税金は「雑所得」となり、確定申告を行う場合は、総合課税の対象となります。
税法上の所得は10種類ありますが、「事業所得」「給与所得」など9種類の所得にあてはまらない所得は、すべて「雑所得」に分類されます。
不動産クラウドファンディングの分配金だからといって、「利子所得」や「配当所得」、「不動産所得」には当たらないので、その点を勘違いしないように気をつけましょう。

源泉徴収の税率

不動産クラウドファンディング事業者が行う分配金の源泉徴収ですが、その税率は
【所得税20%】+【復興特別所得税0.42%】=20.42%
となっています。

例えば、1年利回りが8%の案件に100万円を投資した場合、
年間の分配金額 8万円
¥80,000×20.42%=¥16,336
源泉徴収額 1万6,336円
分配金の手取 6万3,664円
となります。

分配金を受け取った人で、確定申告が必要な人とは?

税務上、不動産クラウドファンディングの分配金は「雑所得」で、確定申告を行う場合は、総合課税の対象になると説明しましたが、すべての人が確定申告をしなければいけないわけではありません。
なぜなら、「雑所得が20万円以下の人は、確定申告は不要」というルールがあるからです。

つまり、源泉徴収前の分配金額を含めた雑所得総額が20万円以下の人は、確定申告をする必要はありません。
では、どのような場合に確定申告を行う必要があるのか、その例を紹介します。

雑所得で20万円以上の人

「雑所得」に分類されるものとして、不動産クラウドファンディングの分配金のほかに、以下のような所得があります。
・年金収入
・印税や講演料
・副業による収入
・ネットショップでの収入
・インターネットのオークションサイトやフリマサイトでの収入
・FXなどの金融取引での収入
・金の現物売買を「営利を目的で継続的に」行っている場合の収入

これら、雑所得に分類される所得と分配金の合計が20万円を超えると、確定申告が必要です。

課税所得金額が694万円までの人

個人に課される所得税率は、それぞれの課税所得金額によって5%〜45%まで適用される税率が変わります。
分配金は、事業者の方であらかじめ20.42%の税金が徴収されているので、所得税率が20%より低い人は、税金を多く払い過ぎていることになります。
そこで、確定申告をして税金を還付してもらう必要があります。

具体的には、課税所得金額が1,000円から694万9,000円までの人が、所得税率が20%以下になります。
確定申告で分配金を雑所得として申告し、源泉徴収額を記載すれば、多く払い過ぎていることを証明できます。
その払いすぎた税額は、確定申告書に記載した口座に、後日還付されます。

もともと確定申告をしている人

普通のサラリーマンは、年末調整があるので確定申告をする必要がありません。

しかし、以下の条件を満たしている人は、雑所得の有無に関わらず、確定申告をする必要があります。
・年収2,000万円以上の会社員
・青色申告の人
・ふるさと納税(寄付金控除)や医療費控除を受ける人

上記に該当する確定申告が必要な人は、「雑所得が20万円以下の人は、確定申告は不要」というルールは適用されません。
分配金の金額(雑所得の金額)が20万円以下でも、申告をするようにしましょう。

まとめ|分配金などの雑所得が20万円以下の人は確定申告不要

不動産クラウドファンディングの分配金は「雑所得」で総合課税の対象ですが、分配金は源泉徴収されているので、年間の雑所得総額が20万円以下であれば確定申告の必要はありません。
ただし、年収が2,000万円以上の会社員、青色申告の人、ふるさと納税や医療費控除を受ける人は確定申告が必要です。
また、課税所得金額が694万円までの人は、源泉徴収で税金が引かれ過ぎているので、確定申告をすれば還付されることを覚えておきましょう。

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