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安定的な資産運用するなら分散投資?!メリットやデメリット、注意点などを解説
更新日 2022年2月17日
「投資をして資産を増やしたいけれど、リスクは少なくしたい」「なるべく安定的に資産を運用したい」そんな投資初心者に知っていただきたい投資方法が、「分散投資」です。
なぜ「分散投資」が重要なのかやそのリスクを抑える仕組み、なにをどう分散させればよいのかなどを詳しく解説していきます。
そのメリットとデメリット、注意点を理解し、より効果的な資産運用を目指しましょう。
- 安定的に資産を運用したい
- 分散投資について知りたい
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分散投資とは何か?
「卵は1つのカゴに盛るな」
——卵を1つのカゴに盛ると、そのカゴを落とせば全ての卵が割れてしまうかもしれない。
しかし複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、他のカゴの卵は影響を受けずにすむ。
これは分散投資の大切さを説く、有名な投資の格言です。
すべての資金をひとつの投資対象に集中させると、運用がうまくいかなかった場合、資産全体に影響してしまいます。
そこで、投資対象を1つに絞らずに多様化させたり、投資のタイミングを1回に集中させずに複数回に分けたりすることで、リスクを分散させることを分散投資と言います。
分散投資は、安定的かつ効果的に資産運用する中長期的な運用手法です。
では実際にどのように分散させるのか、紹介しましょう。
1|地域の分散
まず、投資する「地域」を分散させることが考えられます。
例えば、日本の株式だけに投資していると、国内の景気低迷に強いマイナスの影響を受けてしまいます。
一方で、世界に目を向ければ、景気のよい国もあります。
そこで、日本と海外に分散投資しておくことで、資産全体の急激な増減のリスクを抑えることができるのです。
では、投資地域をどう分けるのか見ていきましょう。
まず、大きく「日本国内」と「海外」に分けられます。
海外には、「先進国」「新興国」といった分け方のほか、「欧州」「アジア」などのエリアや「アメリカ」や「中国」といった国で分けることができます。
地域を分散させる具体的な投資例としては、日本の株式や国債を持っているのであれば、外国株式や外国債券にも投資する。
また、外国の株式や債券で運用される投資信託を利用するのもよいでしょう。
2|商品の分散
分散投資で、想像しやすいのが投資する「商品」の分散でしょう。
商品の分散とは、投資対象を株式や債券、投資信託、不動産、預貯金、年金や保険に分散させることを指します。
さらに、株式投資でリスクを抑えるには、1社の株式に集中投資するのではなく、銘柄を分けて複数の株式に投資するのも分散投資の1種です。
株式や債券、投資信託、不動産は異なる価格変動をします。
そこで、資産を複数の投資対象に分散させると、1度に各金融商品が値下がりする危険性が小さくなるのです。
具体的な商品の分散投資としては、資産を預貯金だけで保有せず、株式投資を始めてみる。
株式投資を行っているなら、債券や債券を中心に運用する投資信託に投資する。
さらには、REIT(不動産投資信託)といった形で資産を分散させるのです。
3|通貨の分散
「円」だけで資産を持たず、「米ドル」「豪ドル」「ユーロ」といった、複数の外貨に資産を分散させることも有効です。
通貨には、その国の政治や経済状況によって、値が左右される為替変動リスクがあります。
例えば、「円」の価値が下がっても、外貨建て金融商品に資産を分散しておけば、為替変動リスクを抑えることが可能です。
通貨を分散させる手軽な投資としては、「円」で形成した資産以外に、「米ドル」や「豪ドル」「ユーロ」などの外貨建てMMF(投資信託の一種)や外国投信、外国債券といった金融商品の購入があります。
また、通貨の分散を行うことで、地域の分散も同時に図れます。
4|時間の分散
時間の分散とは、投資のタイミングを複数回に分けて投資することを指します。
日々価格が変動する株式を、安いときに買って、高いときに売れればよいですが、それを確実に行うことは至難の技。
買いのタイミングを誤ると、大きな損失を出してしまう可能性があります。
そこで、一度に多くの資産を金融商品に投入するのではなく、複数回にわけて少しずつ投資することでリスクを分散するのです。
特に、定期的に一定額を投資する「積立投資」は、価格が安いときは多く、高いときは少なく購入するので、全体として平均購入価額を低くする効果があります。
これは「ドルコスト平均法」とも言われ、簡単に時間の分散ができる王道の投資手法として知られています。
分散投資のメリットとは
これまで分散投資とはどういうもので、いかにしてリスクを抑えられるのか、説明しました。
では、リスクを抑えるとはどういうことでしょうか?
ここでいう金融商品のリスクとは、損益を出して運用成績がマイナスになることではありません。
リスクとは収益と損益の振れ幅、価格のブレを指します。
つまり、リスクが大きいというのは「大きく収益が得られるかもしれないし、大きく損失が出るかもしれない」という状態のこと。
反対に、「リスクが低い商品」とは、振れ幅が小さいので大きなリターンは期待できませんが、想定した効果に近い成績を上げやすくなるのです。
リスクを抑えて安定的な運用ができる
どんなベテランの投資家でも、値上がりする資産を当てることは難しく、それが投資初心者なら、なおさらのこと。
国内株式や海外株式は、年間上昇率が高い金融商品ですが、2005年のリーマンショックのような株価暴落が、いつまた起きるか分かりません。
そうした事態にどう準備しておくべきなのでしょうか?
その答えが「分散投資」です。
例えば、株式と債券は異なる値動きをする傾向があります。
そのどちらにも分散して投資していれば、株価が下落しても、資産全体としては収益と損益の振れ幅を小さくすることが可能です。
そうすることで、全ての資産を失うことなく、手元に残った資金で、資産を取り返すチャンスを残せます。
特に、知識や経験に欠ける投資初心者のうちは、分散投資でリスクを抑え、「失敗しても余裕がある」という状態をキープすることが大切なのです。
売買タイミングを考える時間が減る
株式に投資して、短期で利益を上げるには、価格変動に合わせてベストなタイミングで売買する必要があります。
そのタイミングを探るためには、株価チャートを見て研究し、経済情報やさまざまな知識を仕入れるといった相応の努力が必要です。
しかし、分散投資は、基本的に中長期的な資産運用で用いられます。
そのために、株や債券など金融商品を売買するタイミングを、短期で判断する必要がありません。
利益確定や損切りについて、神経質にならずに運用しやすいといえます。
分散投資のデメリットとは
分散投資にはリスクを抑えるメリットがありますが、同時にデメリットにつながることもあります。
デメリットを理解しておかないと、投資そのものの目的や手段を見誤ってしまうことも。
ここでは、分散投資のデメリットを解説していきます。
利益を生み出しにくい
「高い利益を求めれば、それだけリスクが高くなり、リスクを抑えれば、利益は少なくなる」
この「ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン」は投資の大原則です。
そのため、リスクを抑えようとする分散投資は、利益も生み出しにくいのです。
例えば、1社の株式に100万円を集中投資し、購入した価格の2倍になったタイミングで売却すれば200万円になります。
しかし、10社の株式に10万円ずつ分散投資した場合、1社の株価が2倍になったとしても、そのほかの9社の株価が上がっていなければ110万円にしかなりません。
これは「せっかく株価が倍になる好機にもかかわらず、分散投資をしたことで利益を逃してしまった」といえます。
さらに、「時間の分散」をしていれば、そもそも購入時期を分散させている時点で、短期間で大きな利益を出すことは難しいです。
投資家は、短期で大きな利益を得るには分散投資は向いていないことを理解し、中長期的に安定的に資産運用を行うという本来の目的を見失わないようにしましょう。
管理が面倒
株式投資でリスクを抑えるためには、1社より2社、2社より5社、10社と株式銘柄を増やしたほうが有効です。
しかし、各銘柄について詳しく把握することは難しくなります。
さらに、株式や債券、投資信託に不動産など投資対象が増えれば、それぞれの価格変動の傾向も異なり、海外株式や外貨建て資産に投資していれば、海外の経済状況や為替レートについても把握しておく必要が出てくるでしょう。
つまり、分散させればさせるほど、資産管理は難しくなり、面倒になります。
そのため、自分が把握できる投資先の数を意識的に守ることが大切です。
把握することができなくなると、逆にリスクが高くなる可能性があるので要注意です。
分散投資の注意点とは?
分散投資だからといって、ただ投資先を複数にすればいいというものではありません。
投資先1つ1つの特性や価格変動の要因、リスクの大きさなどを理解し、金融商品を組み合わせる必要があります。
そこで、分散投資をするうえで注意すべきことを解説していきます。
分散投資の内訳を確認する
例えば、分散投資のために、自動車メーカーの株式を複数銘柄で保有しても、リスクを抑える効果は望めません。
「為替の変動」という要因で、保有する銘柄が同じ値動きをする組み合わせでは、リスクは大きいままだからです。
このように、分散投資できているようで実はできていない状態にならないよう、資産の内訳をよく確認する必要があります。
確認ポイントとして、投資を分散させるときは、値動きの特性が異なるものを組み合わせること。
なるべく値動きが相反するものがよいと言われています。
さらに、「株式だけ」「国内だけ」といった偏りがでないように工夫しましょう。
先の例でいうと、
・メーカーとは異なるサービス業や流通といった為替と密接な繋がりのない業種の銘柄株を持つこと
・または、円高が悪材料になる輸出企業ではなく、円高が好材料になる輸入企業の株式を持つこと
商品の分散を行うなら、経済状態に応じて「株式」と異なる値動きをすることが多い「債権」への投資がおすすめです。こうした正しい内訳にすることで、ある資産が値下がりしても他の資産の値が上がり、全体として資産価値が下がらないというリスク低減の効果が発揮されるのです。
バランスよいポートフォリオを組む
資産管理においては、どうしても株式や投資信託といった金融商品をメインに考えがちです。
しかし、同時に預貯金や保険といった安全資産を一定額持っておきましょう。これも分散投資の1つです。
リスクやリターンが大きい金融商品とは別に、リスクが限りなく小さくリターンも少ない安全資産をしっかり組み込んでおくと、一部の金融商品に下落や変動が起きても、動揺しにくくなります。
このように、バランスを見ながら保有資産を組み合わせることを「ポートフォリオを組む」といいます。
ポートフォリオを組むにあたって、あらかじめ安全資産と投資の配分を決めておくといいでしょう。
例えば、「保有資産の6割は投資、4割は安全資産」や「預貯金と新たな投資に、毎月の収入から5%ずつ捻出する」といった具合です。
また、投資には株式や投資信託へ投資する「金融投資」以外に、不動産投資を代表とする「現物投資」もあります。
すでに「金融投資」をしているのであれば、「現物投資」で資産の幅を広げ、さらに分散投資を図ってみてもよいでしょう。
ポートフォリオとは?
先ほど出てきた「ポートフォリオ」という言葉は、投資家がそれぞれ保有している現時点の金融資産を指す言葉です。
ポートフォリオの中身は、株式に債券、投資信託といった金融商品から、預金など安全資産までさまざま。
ポートフォリオを組む最大の目的は、投資先を1つに集中させず、できるだけ分散させて資産運用を行うこと。
そして、ポートフォリオを組むことで、時間的な分散の管理に役立てるためです。
時間の分散を図る金融商品には、利息は高くても満期までの期間が長いものと、反対に利息は少ないがいつでも換金できるものがあります。
または、一度購入するとなかなか売却できない不動産と、売りたい時にいつでも売れる株式もそうです。
そうした満期までの期間や資金の流動性から見たポートフォリオを組むことで、資産管理が容易になります。
目的を持ってポートフォリオを考える
分散投資をするにはしっかりとポートフォリオを組んだ方がよいです。
ではポートフォリオを組むには、なにを基準に考えればよいのでしょうか?
その答えはシンプルで
「今、いくらお金を持っていて(投資資金)」
「いつまでに、お金がほしくて(投資期間)」
「いくらぐらいのお金がほしいのか(必要資金)」
の3つをハッキリとさせればいいのです。
つまり、投資の目的を明確にするのです。
「独身のうちにマイカーを持ちたい」
「一軒家を建て、ローンの残っていない家を子供に残してやりたい」
「お金の不自由のない老後をおくりたい」
それぞれ希望を叶えたい時期、それにかかるお金の額を明確にし、今持っている資産と相談してポートフォリオを組んでいきましょう。
●投資資金
投資資金に余裕があれば、安全資産を一定額持ちながら、資金を投資に回せます。投資資金に余裕がないのに、株式などハイリスク・ハイリターンの金融商品に投資するのは危険なため、避けた方がいいでしょう。
●投資期間
分散投資は、中長期の資産運用の手法ですので、投資期間が長いほど選択肢が広がります。
例えば、利息は高くて満期までの期間が長い債券や投資信託が候補に上げられます。
さらに、長期であれば不動産なども考えられるでしょう。
また、株式投資で損失を被っても、長期間であれば、改めて株式投資で挽回できる機会を得られます。
●必要資金
資産を増やせるのであれば、いくらでも増やしたい。
それが正直な気持ちであっても、それは「リスクをどこまで負い」「どこまで安定性を保持するのか」ということのバランスを考えなければいけません。
そのために、実際的にいくら必要なのかがハッキリしていれば、ポートフォリオが組みやすくなります。
まとめ|リスクを軽減できる分散投資
投資初心者にとって、分散投資を取り入れるのは難しく感じるかもしれません。
分散するといっても、それほどの投資資金がないという人もいるでしょう。
銘柄選びや投資先を決めるのは、初心者のみならず誰しも悩むこと。
しかし、分割投資とその効果を理解しながら、定期的な見直しを行い、徐々に投資先を増やすことは、安定的かつ効果的に資産形成する最良の手段です。
その過程で、確かな知識が身につけてワンランク上の投資家を目指しましょう。
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