資産運用に役立つ「信託受益権」をわかりやすく解説!種類やメリットも! | 利回り不動産《RIMAWARIBLOG》

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資産運用に役立つ「信託受益権」をわかりやすく解説!種類やメリットも!

2021/12/10

更新日 2022年10月17日

利回り不動産がお届けする資産運用ブログ「RIMAWARI BLOG」本記事のテーマは「信託受益権」です。

「投資信託」に「信託銀行」、「不動産信託」など、金融の世界では「信託」という言葉がよく使われます。
「信託」という制度は、子どもの誕生から、進学、結婚、出産に相続まで、人生のさまざまなライフステージで利用され、社会貢献やビジネス、企業の資金調達や投資、従業員の年金の管理にも深く関わっている仕組みです。
その「信託」という制度で、重要なのが「信託受益権」という権利です。
この権利を利用すると得られる多くのメリットを理解することは、資産運用を行う上で、とても役に立ちますので本記事で理解を深めていきましょう。

この記事のポイント!
  • 信託受益権をわかりやすく解説
  • 信託受益権から得られるメリット
  •      

  • 信託受益権の活用例を紹介

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信託受益権とは?

信託受益権を理解するには、まず「信託とは何か?」を理解する必要があります。
「信託」とは、大切な財産を信頼できる人に託し、自分が決めた目的に沿って管理・運用してもらう制度です。
その大きな特徴は、財産の管理・運用を誰のためにどんな目的のために行うのか「信託目的」を自分で決められることです。

信託の意味

大切な財産を、文字どおり「信じて託す」この制度は、基本的に次の3者の関係性から成り立っています。
・委託者(自分)……財産を預ける人、信託する人。
・受託者(信託銀行など)……財産を預かって(信託されて)管理・運用する人。
・受益者(恩恵を受ける人)……財産から生じる利益を得る人。

さらに、この3者は次のような流れで「信託」を行います。
(1)委託者が、自分の持っている財産を契約によって受託者に託す。
委託者から受託者に信託された財産を「信託財産」と言い、信託された段階で、委託者の財産の所有権は受託者に移転します。この点が他の制度には見られない信託の最も大きな特徴です。

(2)受託者は財産を管理・運営・処分する。
受託者は、信託された財産を受益者のために管理・運用します。受託者は、委託者と受益者への大きな責任を負うため、信託法や信託業法などの法律に基づいて、信託された財産を安全に管理するなど厳しい義務が課せられます。

(3)受託者は、託された財産から得た利益を、受益者に給付する。

信託受益権の意味

「信託受益権」とは、上記の(3)に関わる権利です。
つまり、受益者が信託財産から生じる利益を受け取る権利こそが「信託受益権」です。
財産は、ただ持っているだけでは、なかなか収益をあげにくい側面があります。
そこで、財産の所有権を委託者に移転する代わりに、その財産が生み出す利益を受け取る権利を得るのです。
そうして得た「信託受益権」は、他人に売却したり担保にしたり、さまざまな活用法が可能になるほか、種類によっては税制上の恩恵を受けられる場合もあります。

また信託は、委託者、受託者、受益者の3者の関係に基づく制度ですが、委託者自身が受益者になることもできます。

つまり、信託は「誰かのために」財産を管理・運用するだけでなく、「自分のために」財産を管理・運用することもできるのです。
この場合の信託を「自益信託」といい、委託者と受益者が異なる場合の信託を「他益信託」といいます。

信託の4つの目的

信託財産は、誰かのために、目的の実現に向けて、管理・運用されます。
この「誰」とは受益者のこと指しますが、「目的」は何でしょう?
目的は委託者によって細かく異なりますが、大きく4つに分けることができます。

・財産を貯める、増やす(資産運用)
・財産を守る(資産管理)
・財産を繋ぐ、譲る(資産承継)
・財産を役立てる(社会貢献)
では、その目的について詳しく解説しましょう。

貯める・増やす(資産運用)

信託の仕組みを利用して、より効果的な資産運用を行うことができます。
受託者は、信託銀行など運用のスペシャリストです。
委託者から託された信託財産を、有価証券や不動産などに運用する金銭信託や投資信託など、委託者や受益者のニーズに応じて、効率的に運用します。

例えば、国とともに企業が従業員の計画的な財産づくりを推し進める「財形制度」でも、信託が利用されています。

守る(資産管理)

子どもや孫の将来のため、安定した老後の生活に備えるために、資産を守ることができます。
信託することで資産を管理する負担を軽減しながら、生活や療養、教育資金をあらかじめ決めておいた額を受け取れます。
この仕組みを利用して、高齢者や障がい者の月々の生活費の支払いや、家族などの同意を得て、振り込め詐欺など犯罪被害防止にも利用可能です。

そのほか、確定給付企業年金制度、厚生年金基金制度など、企業が従業員のために実施する企業年金にも信託が利用されています。

譲る(資産承継)

子どもや孫への資産贈与や、養育費や教育費などのサポートを行えます。
自分の子どもや孫に資産を残したい、入学金や習い事、塾などの教育費、就職や結婚に関する費用をサポートしたいというニーズにも、信託は利用されます。

さらに、自分が亡くなってからの家族の生活を支えたいというニーズには、配偶者や子どもたちに財産を引き継ぐ「遺言代用信託」という信託もあります。

役立てる(社会貢献)

社会のために、自分の財産を役立てることもできます。
自分の財産を信託することで、奨学金の支給、自然環境の保全、学術分野の研究など、社会への貢献を効率的に行うことが可能です。
具体的には、NPO法人等に寄付をして社会貢献活動を支援する信託などがあります。

信託受益権のメリットとは?

財産を信託受益権に転換することで、他の制度や金融商品にはない、さまざまなメリットを受けられます。

・財産の管理・運用を任せられる
・管理運用がしやすい
・信託した財産は、安全に管理される
・何のために、誰のために、という目的を定められる
・金銭以外に、さまざまな種類の財産を信託することができる
・贈与税などが非課税となるものがある

上記のうち、信託受益権による恩恵が大きいもの2つについて、詳しく解説します。

メリット1
財産の管理・運用を任せられる

財産を信託して「信託受益権」にする第1のメリットは、専門家に管理・運用を任せられることです。

信託せずに財産を保有していると、その保有者自身が運用の判断や手続きを行わなければなりません。
これには大きな手間がかかります。

その点、財産を信託している期間中、財産の名義は委託者から受託者に移管され、財産管理や運用に求められる高度な判断をプロフェッショナル(=受託者)に任せることができます。

メリット2
管理運用しやすい

信託契約を行なった際、財産の名義が委託者から受託者に移っているので、受益者が変更される場合でも名義を書き換える必要がありません。
同時に委託者から受託者に財産を移す際も、信託契約時に行うため、大きな手間がかかりません。
1度信託契約さえ締結してしまえば、売買や管理に手間がかかる不動産のような財産であっても、簡単に手続きが完了します。

信託受益権の具体的な活用例とは?

次に、実際の生活や資産形成において、どのように信託受益権が活用できるのか、具体的な事例を紹介していきます。

不動産信託

「不動産信託」とは、その言葉の組み合わせどおり、不動産という財産を信託銀行などに信託し、運用する仕組みです。
信託は、とりわけ不動産との相性がよいといわれています。
その理由は、不動産という資産が持つ性質が大きく関係しています。

そもそも不動産価格は高いもの。
利益を出しそうな優良な不動産案件であれば、なおのこと。
小口の投資家にとって、不動産は手が出しにくい投資対象になってしまいます。
しかし、不動産を信託の仕組みを使って信託受益権に転換すると、小口販売が可能になります。
具体的には、10億円の不動産でも1,000人の投資家を集めれば、1人100万円から投資が可能になります。

不動産売買には仲介手数料や登記費用がかかり、手続きも複雑です。
さらに、管理・運営しようとすると、入居率を上げる宣伝や告知、入居者との手続きや家賃の徴収など、多くの手間と特別なノウハウが必要になります。
しかし、不動産信託なら、不動産管理のプロフェッショナルが代行してくれるので、手間がかかりません。
信託受益権が持つメリットが最大限に有効になる活用例といっていいでしょう。

不動産は、債券や株式投資のように景気に左右されにくいものです。
なぜなら、不動産の大きな収益源が、生活に最低限必要な住居から得る賃料収入だからです。
つまり、受益者は、安定的な収益を継続して受け取ることが可能になるといえます。
また、この収益を、子どもや孫など複数に分配することも、信託を使えば比較的簡単です。

こうした不動産の性質による有効性のほか、税務上の有効性も見逃せません。
委託者から受託者に不動産を信託した時点で、不動産の所有者(名義)が受託者に移転されます。
これにより、委託者や受益者には固定資産税が発生しません。
また、不動産の信託受益権を売買する場合、不動産ではなく金融商品として扱われるので、不動産取引税もかかりません。

投資信託

1万円から投資可能な「投資信託」も、信託を活用した身近な金融商品です。
投資信託では、個人投資家などから集めたお金をまとめて、運用の専門家である投資信託委託会社(運用会社)が投資家に代わってどの株式・債券に投資するか判断し、その利益を投資家に分配します。資産管理は信託銀行が行います。

株式に投資する場合、その企業の業績悪化や倒産で損失を被るリスクが伴います。
このリスクを軽減するには分配投資が有効ですが、それにはより多くの資金が必要になります。
その点、あらかじめ複数の株式や債券に分散投資されている投資信託は、投資リスクが軽減されているといえるでしょう。

もちろん投資信託だからといって、リスクがないわけではありません。
投資信託には元本保証がないので、株価の下落や為替の変動により損失を被る可能性もあります。
投資信託のどの商品を選ぶかは、投資家のリスクの許容度によります。ハイリターンな商品ほどハイリスクであることを理解し、選択する必要があります。

教育資金贈与信託

「教育資金贈与信託」とは、財産を孫などに贈与する場合、教育資金であれば非課税で一括贈与できる制度です。財産の贈与には、通常「贈与税」が課税されます。

例えば、1,000万円を超える贈与には、45%以上という高い贈与税が課されますが、教育資金贈与信託を利用すれば、教育資金に限るという条件付きで、1,500万円までであれば非課税です。
これは、高齢者から若者への財産移転を目的としているので、祖父母から孫に贈与されるケースが多いようです。
実際には、贈与する財産は信託銀行で管理され、教育資金が必要な進学など、適切なタイミングで受益者である孫に払い出されます。

結婚・子育て支援信託

「結婚・子育て支援信託」とは、孫などの結婚や出産、子育てに関する資金として、祖父母が信託銀行等に金銭等を信託し、1,000万円(結婚で支出する資金については300万円)を限度として贈与税が非課税になる制度です。
資金の使途は結婚や出産、子育てに限られていて、非課税で資金を受けるには、受託者である信託銀行等に領収書等を提出する必要があります。
こうすることによって、祖父母が信託した資金は、確実に結婚や出産、子育てに使われます。

もし、祖父母が亡くなるようなことがあっても、資金は安全に運用され支払われます。
ちなみに委託者は、受益者の直系尊属の方に限られます。
結婚・子育て支援信託に関しては、税制改正を受けて信託契約の締結時期により条件等が異なるので、取扱金融機関で内容についてしっかり確認したほうがいいでしょう。

生命保険信託

「生命保険信託」とは、信託銀行等が生命保険の保険金受取人となり、万が一の時に死亡保険金を受け取り、保険契約者が生前に定めた親族等に、あらかじめ決められた方法で金銭を支払う制度です。

例えば、子どもが未成年で、死亡保険金を受け取っても管理が難しい場合、あらかじめ「生活費として10万円を、子どもの世話をしてくれる人の口座に毎月振り込む」と決めておくことで、信託銀行等がそのとおりに支払ってくれます。
これを利用して障がいを持つ子どもや、認知症の親族の代わりに財産管理を任せることができます。

また、生命保険信託には、きめ細かな設定が可能なものもあります。
例えば、第一受益者を配偶者にしておき、その配偶者が亡くなった場合に備えて、第二受益者、第三受益者まで定めておけるものや、第二受益者が亡くなった場合は信託を終了し、残った財産を指定した公益法人などに寄付する、と決めておけるものもあります。

財産形成信託

「財産形成信託」とは、国と事業主が協力して、勤労者の財産形成を奨励・援助する「財形制度」に基づいて、賃金から天引きで積立金を控除し、継続的に貯蓄を行うものです。
計画的かつ、着実にお金を貯めることができる仕組みです。
財産形成信託には、貯蓄の目的や資金使途等の違いにより、いくつか種類があります。
貯めたお金の使い道に制限のない「財産形成貯蓄(一般財形)」や、持ち家の取得・増改築などを目的とした「財産形成住宅貯蓄」、安定した老後を送るために年金支給を目的とした「財産形成年金信託」などです。
「財産形成住宅貯蓄」と「財産形成年金信託」には、税制上の優遇措置が取られている点も魅力です。

まとめ|財産を保有せずに利益を生み出せる信託受益権

財産を直接保有することは、そのままでは収益をあげにくく、運用や管理にコストや手間がかかってしまう問題を抱えることになります。
そこで財産を信託し、所有権を委託者に渡すかわりに、その財産からの収益を得る「信託受益権」に転換すると、この問題が解決できます。

こうした信託の仕組みと、最も相性のよい財産が「不動産」です。
「安定的な賃料収入」という不動産の性質を活かしつつ、「投資規模が大きい」「運用にノウハウがいる」といった不動産のデメリットを打ち消すことができます。
そのメリットを考えると、積極的に不動産信託を検討してみてもよいのではないでしょうか。

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ZENGO CHEN
ZENGO CHENRIMAWARIBLOG編集責任者
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