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【知れば簡単】固定資産税評価額の調べ方と、税金の計算方法。

2022/01/13

更新日 2022年10月31日

昨今のライフスタイルの変化で、住環境をもっとよくしたい、安定した収入源の確保のため、将来への備えとして「家を買う」ことを検討している方も多いのではないでしょうか。家を買うとなると不安なのが維持費。なかでも「税金」の問題ですよね。

土地や家屋といった不動産を所有すると、毎年「固定資産税」がかかります。
不動産投資の収支を考えるうえで、経費として計上する固定資産税はとても重要です。
その税額が、「固定資産税評価額」をもとに計算されていることをご存知でしょうか?
この固定資産税評価額が、どういうものかを知っておくと、不動産投資をや購入を検討するうえで大変便利です。
今回は、この固定資産税評価額の調べ方や、税金の計算方法について分かりやすく解説していきます。

この記事のポイント
  • 不動産保有時の固定資産税について理解できる
  • 固定資産税の調べ方や特例がわかる

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まずは基本となる「固定資産税評価額」とは?

「固定資産税評価額」とは、固定資産税を算出するための基準とする不動産の評価額のこと。
この評価額は、都市計画税や不動産取得税、登録免許税の算出にも使われ、その算定は各市区町村(東京都23区の場合は都)が行います。
固定資産税評価額は、売却相場を知りたいときの参考にはなりますが、資産の購入価格や販売価格とイコールではない点に注意が必要です。

知れば簡単!固定資産税評価額からその他の税金を計算する方法。

とうしろう
「固定資産税評価額」がわかっていれば、計算式によって固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税を算出できます。
一般に税金の計算方法は難しいことが多いですが、これら4つの税金の計算は簡単です。
それでは、それぞれの税金の内容と計算方法を解説しましょう。

固定資産税

「固定資産税」とは、その年の1月1日時点で土地や家屋など不動産を所有している人に課税される地方税です。
その税額は、固定資産課税台帳に登録された固定資産税評価額に税率を乗じれば算出できます。
税率は1.4%ですが、これは国が目安としている税率であって、市町村によっては異なる場合があります。

・固定資産税=固定資産税評価額×税率1.4%

都市計画税

「都市計画税」とは、その年の1月1日時点で、都市計画法で定められた「市街化区域内」に土地や家を所有している人に課税される地方税で、固定資産税と一緒に納めることになります。
市街化区域とは、市街地として栄えている地域や、今後整備が進められて市街化する地域のこと。
都市計画税は、そうした都市計画事業や土地区画整理事業の資金として使われます。
都市計画税の算出法は、固定資産税評価額に税率(最高で0.3%)を乗じるだけです。

・都市計画税=固定資産税評価額×税率0.3%

不動産取得税

「不動産取得税」は、家や土地を取得したときにのみ課税される地方税です。
この不動産取得税の税額は、固定資産税評価額に税率を掛けて算出しますが、その税率は所有する不動産によって異なります。

・不動産取得税=固定資産税評価額×税率
※不動産取得税の税率(令和3年3月31日まで)
土地・住宅の場合:税率3%
住宅ではない家屋の場合:税率4%

登録免許税

「登録免許税」は、不動産を登記するときに支払う国税です。
不動産登記の種類には3パターンあり、そのなかでも所有権に関する登記の場合と、抵当権設定の登記の場合で算出方法が異なります。
税率については、国税庁ホームページの「登録免許税の税額表」で調べることができます。

所有権に関する登記
所有権保存登記:建物を新築した際に所有権を登記するためのもの
所有権移転登記:不動産を売買する際、所有権を売主から買主へ移すときの登記
・登録免許税=固定資産税評価額×所定の税率

抵当権設定登記
抵当権設定登記:住宅ローンを組む場合に抵当権を設定するための登記
・登録免許税=債権金額(住宅ローンの借り入れ額)×所定の税率

固定資産税評価額の調べ方

とうしろう
自分が所有している土地や家の評価額がいくらなのか、気になるところですが、その固定資産税評価額は意外と簡単に調べることができます。さっそく方法を見ていきましょう

1|課税(納税)明細書で確認

土地や家屋、マンションなどの不動産を所有していると、毎年春から初夏にかけて、市区町村から固定資産税の納税通知書が送付されます。
この納税通知書に添付されている「課税明細書」の価格の欄に、固定資産税評価額が記載されています。
注意が必要なのは、価格=固定資産税評価額であること。
価格欄の近くに記載されている「固定資産税課税標準額(円)」と混同しないようにしてください。

2|固定資産課税台帳を閲覧

「固定資産税台帳」とは、固定資産税の課税対象となる土地や家屋の所在、所有者などが記載された帳簿のこと。
この台帳を市区町村の役所(東京23区ならば、固定資産がある区の都税事務所)で閲覧すれば、固定資産税評価額が確認することができます。
ただし、閲覧にあたっては、納税義務者本人か同居の家族、納税管理人および本人から委任または同意を受けた人など、制限がかけられています。

3|固定資産評価証明書を入手

「固定資産評価証明書」とは、固定資産課税台帳に登録されている内容を証明する書類のことです。
この証明書は、市区町村の担当課の窓口や出張所などで、申請書と本人確認書類、手数料を提示・提出すれば取得できます。
一部の自治体では、コンビニエンスストアで取得できるほか、郵送で申請し取り寄せることも可能です。
ただし、固定資産課税台帳と同じく、証明書を取得には制限があります。

4|不動産会社に確認

まだ土地や家屋の購入を検討している段階で、所有していない状態でも、その不動産を売りに出している不動産会社に確認すると、おおよその「固定資産税評価額」を教えてくれます。
ただし、土地だけ購入して新築住宅を建てる場合は、正確な固定資産税評価額がわかりません。
その場合も、不動産会社に土地と予定している住宅を伝えれば、目安となる固定資産税評価額を教えてくれるでしょう。

固定資産評価額の決定方法

「固定資産税評価額」は、総務省が定めた土地や家屋などの評価方法「固定資産評価基準」に基づき、各自治体の固定資産評価員が1軒ずつ確認して決められています。
この決定は土地や家屋を登記したタイミングで行われますが、3年に1度見直されるので、3年ごとに固定資産税の納付額が変わる場合があります。

土地の場合

土地の固定資産税評価額は、以下のような流れで決定されます。

1. 区域ごとの標準的な宅地(標準宅地)を選ぶ。
2. その標準宅地が、実際に取引された価格から「固定資産税路線価」を決定する。
3. 路線価をもとに、対象の宅地に「評点数」を付ける。
4. 評点数1点あたりに市町村が決めた価格を乗じて評価額を決定する。

評点数とは、対象の宅地に標準宅地との違いを数値化したもの。
土地の形状や面積のほか、「どのように道路に接しているか?」なども細かく検討されます。
こう説明すると難しく思われるかもしれませんが、土地の固定資産税評価額は、毎年1月1日に国が定める「地価公示価格」の約70%が目安となっています。
ですから公示価格が1,000万円なら、その70%である700万円がおおよその評価額です。

家屋の場合


家屋の評価については、「再建築価格」という基準を用います。
再建築価格とは、「同じ物件を現在再建築した場合、どれくらい費用がかかるのか?」という価格で、そこから経年劣化した分を差し引いたものが評価額です。
経年劣化分の算定が難しいのですが、基本的には家屋の固定資産税評価額は、再建築価格の約50~70%、新築であれば請負工事金額の約50~60%が目安となります。
同じ床面積であっても、木造建築より鉄筋コンクリート造、一戸建てよりもマンションというように、建築コストが高い建物ほど固定資産税評価額は高くなる傾向があります。

固定資産税の税額を抑える特例とは?

土地や家屋の取得には多額の資金が必要なので、誰しも固定資産税を抑えたいもの。
そこで利用したいのが、一定の条件を満たすことで固定資産税などを減税する特例です。
不動産購入の検討時には、特例が適用できるかどうか、しっかり確認しておきましょう。

住宅用地の特例

「住宅用地の特例」とは、所有する土地を宅地として利用する場合、1戸の住宅につき200平方メートルまでは評価額を最大6分の1に減額して計算できることです。

また、200平方メートルを超える部分については、評価額を最大3分の1に減額して計算できます。
同様に都市計画税も、1戸の住宅につき200平方メートルまでの評価額を最大3分の1、200平方メートルを超える部分の評価額を最大3分の2に減額して計算できます。

200平米までの住宅用地の固定資産税と都市計画税

税金 減額割合 計算方法
固定資産税 1/6
1/3
評価額×1/6×1.4%
評価額×1/3×1.4%
都市計画税 1/3
2/3
評価額×1/3×0.3%
評価額×2/3×1.4%

ただし、この軽減措置は「土地が宅地である限り」という前提です。
建物が住宅でなくなったり、更地にしたりすると適用外になります。

新築住宅の特例

住宅用地の特例に加えて新築住宅を建てる場合、要件を満たせば3年にわたって床面積120平方メートルまでの部分の固定資産税額が2分の1に減額されます。
さらに、新築した家屋が、認定長期優良住宅の要件を満たしている場合は、その適用期間が延長になります。(2022年3月31日までに新築した物件が対象)

建て替えや改修の特例

住宅の建て替えやリフォーム、リノベーションでも、耐震性やバリアフリー、省エネ・断熱性にかなった住宅だと認められた場合、固定資産税の減額措置がなされます。
それぞれ2022年3月31日までに工事が完了した物件が対象で、工事完了の翌年に固定資産税が減税されます。

審査し直しも可能

固定資産税に不服があれば、各市町村に申し出て審査し直してもらえます。
実は、土地や家屋の不動産にかかる固定資産税の過払いは、珍しいことではありません。
固定資産税評価額が適正かどうか、固定資産評価基準の算出の根拠をよく調べれば、納得できない部分が見つかるかもしれません。
ただし、不服の申し出は、最初に納税通知書の交付を受けた日から3カ月以内に行わなければいけません。その点には注意が必要です。

まとめ|固定資産税評価額は必ず毎年確認が必要

土地や家屋など固定資産を所有しているだけで、毎年課税される固定資産税の支払いは、負担に感じるものです。
固定資産税評価額と税率から簡単に計算できる固定資産税ですが、特例などを適用すると算出方法が複雑になる場合もあります。
それだけに、税金についてよく理解したうえで、納税通知書が届いたら自分で内容をしっかり確認し、不安や疑問点を抱いたら税理士に相談することをおすすめします。

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