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利回り通信vol.12 京都西陣に誕生した新施設「北野天満宮の家」イベントレポをお届け!
更新日 2025年3月21日
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このたび2025年1月17日、京都の歴史を宿す京町屋を現代のライフスタイルに調和させ、新たな価値を創出する「京都町屋再生プロジェクト」の完成記念オープニングレセプションが開催されました。
本プロジェクトは、地域の活性化と文化継承を目指し、西陣地区・北野に佇む築126年の町屋を、歴史的な魅力を損なうことなく現代的空間として蘇らせたものです。利回り不動産を通じて、1000人以上の個人投資家から共感と支援を得て実現したプロジェクトは、建築保存の域を超え、未来に受け継ぐべき文化の再生をも目指します。
再生プロセスには台湾の建築デザイナー、李靜敏氏が携わり、日本の「侘び寂び」や禅の精神を基調に、台湾の美学を融合させました。
この町屋は、過去の美を未来へ伝えつつ、北野天満宮にも程近い歴史香る場所で、地域住民や観光客が集う新しい空間のあり方を提案しています。今後はアート、文化、食を通じて世界とつながり、多彩な交流を育む拠点として機能していきます。
台湾襲園グループ × 京都町屋再生プロジェクト
本プロジェクトは、台湾を拠点に建築デザインやアートを通じ「生活美學」を提唱する、襲園(シュウエン)グループと日本の文化人やアーティストとの連携による革新的な取り組みです。築126年以上の歴史をもつ町屋を舞台に、日本と台湾の美が融合する試みの中核には、「禅」や「侘び寂び」をはじめとする日本の精神性と、東洋的な美学と生活に根ざした襲園グループの価値観があり、この両者の美意識が深く共鳴することで、新しい文化交流の可能性が生まれました。
町屋の記憶を未来へ
~建築デザイナー李靜敏氏が語る再生への想い~
この日開催されたトークセッションの冒頭で、今回の町屋再生を指導した建築デザイナー、李氏の想いが語られました。李氏は、「町屋は人々の記憶が宿る場所」と語り、「再生の過程で最も美しかったのは、建物に残された痕跡からこの場所で営まれた人々の暮らしや物語に触れる瞬間でした」と振り返りました。
「町屋が宿す記憶と物語に、未来の人たちが想いを馳せるような再生を心がけた」と詩情豊かに語る李氏の言葉は、オーディエンスに静かな感動をもたらし、過去を未来へつなぐ美しさを伝えるものでした。
また、長年親交のあるハタノワタル氏とのコラボレーションにも触れ、日本の伝統美を現代に蘇らせる喜びと、伝統と革新への共感を表しました。
今回和紙職人でありアーティストのハタノ氏が手がけた壁や天井には、800年の歴史をもつ黒谷和紙の繊細な美が宿り、空間全体に柔らかな光をもたらしています。
トークセッション:響き合う伝統と創造の対話
李氏に加え、和紙職人でありアーティストのハタノワタル氏、着物家の伊藤仁美氏、陶芸家・茶人の山田翔太氏の4名が登壇したトークセッションでは、それぞれの活動に込められた内なる想いが共有されました。
ハタノ氏は「過去から残ったものにこそ本質がある」と述べ、「過去を未来へつなげる」試みとして、最もシンプルな道具と技法で和紙を制作し、アートと建築、工芸の境界を超えた持続可能な創作活動を紹介しました。
一方、伊藤氏は着物が宿す時間と記憶の美しさに触れ、鏡を使わず五感で着付けを行う独自の方法を「自然と心につながる瞑想のよう」と表現。禅寺に生まれた伊藤氏らしい印象を残しました。
山田氏は「伝統をアップデートし、本質的な価値を現代に表現したい」と語り、トークセッション後には自らの感性や美意識を解放する独自の「見立て茶会」の体験を提供しました。
最後に今回の町屋再生を手がけた李氏が、仏教の“自利利他”の精神を軸に「好奇心を絶やさず自身の行動や感情と向き合うことがマインドフルネスにつながり、人々の生活に寄り添う空間を創造することにもつながります」と締めくくり、この日美しく再生された京町家に集った人々の心を動かしました。
形あるものを超えた精神性の探求でつながり、五感や自然、文化を通じて自己との対話を深める4名によるトークセッション。
建築、和紙、着物、陶芸、および茶道とそれぞれの世界がクロスオーバーし、境界を超えて響き合う様子は、この空間が標榜する文化の交差点としての未来を映し出すようでした。
美の記憶を未来へつなぎ、多様な文化交流の拠点に
このたび再生された京町屋〈襲園生活京都北野〉は、西陣地区、特に京都の風情が色濃く残る新町エリアに根ざしていることを活かし、地域の活性化と文化の継承を促す「北野の憩いの場」としての役割を担います。
さらに国内外のアートや文化、食が交差する交流の場を創出することで、地域のみならず“世界とつながる町屋”という新たな概念を発信していきます。
本プロジェクトを通じて、利回り不動産および襲園グループは、社会貢献と文化保護の両立を目指し、次の100年にわたる美の価値を創造してまいります。
writing:前田まり
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