利回り通信vol.11 【126年の時を超えて—京都町屋再生プロジェクトの軌跡】 | 利回り不動産《RIMAWARIBLOG》

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利回り通信vol.11 【126年の時を超えて—京都町屋再生プロジェクトの軌跡】

2025/02/03

更新日 2025年2月6日

京都の町家には、時代を超えて受け継がれてきた職人の技、暮らしの知恵、そして無数の物語が刻まれています。

しかし、どれだけ美しい建築も、時間の流れには抗えません。

この築126年の町屋も、かつては活気に満ちていた空間でしたが、老朽化とともに静かにその役目を終えつつありました。

そこで私たちは、「町屋は保存するだけではなく、未来へつなぐ存在であるべき」という想いのもと、この再生プロジェクトを始動。伝統の息吹を大切にしながら、現代のライフスタイルに寄り添う空間へとアップデートしました。

本ブログでは、その軌跡をビフォーアフターの写真とともにかつての趣を残しつつ、見違えるほど洗練された町屋の姿を、ご紹介したいと思います。

京都町屋再生プロジェクトーご挨拶:ZengoChen

陳善豪 木山善豪 町屋再生 プロデューサー 襲園生活 利回り不動産 ZENGO CHEN KIYAMA

この度の京都町屋再生プロジェクトのプロデューサーを務めました、陳善豪 ZengoChenです。本プロジェクトは、京都が誇る伝統文化の保存と発展を目指し、多くの方々のご協力を得て実現しました。この126年の歴史を持つ町屋を、単なる修復ではなく、現代のライフスタイルに溶け込む空間として生まれ変わらせることは、大きな挑戦でもありました。

特に、このプロジェクトを可能にした利回り不動産のクラウドファンディングにご参加いただいた皆様には、心より感謝申し上げます。皆様のご支援があったからこそ、歴史的建築物を未来へ繋ぐ新たな一歩を踏み出すことができました。この町屋が、地域の皆様に愛され、新たな文化と人々の交流の場となることを願っています。

築126年の歴史を刻む西陣の大型町屋に吹き込まれた新たな命。

京都、北野天満宮のほど近く。ここは、西陣織の伝統が息づき、京都最古の花街「上七軒」をはじめ、西陣の台所として栄える北野商店街が広がる、歴史と文化が織りなすエリア。

金閣寺への散歩やサイクリングルートとしても人気があり、四季折々の景観が訪れる人々を魅了しています。

そんな風情あふれる西陣の地で、このたびの町屋再生プロジェクトが完成しました。築126年を超える町屋に現代の息吹を取り入れつつ、その歴史的価値を未来へ受け継ぐために細部まで丁寧に修復が行われました。

このプロジェクトは、利回り不動産のクラウドファンディングを通じ、多くの投資家の支援を得て実現したものです。地域文化の保存と発展、さらに資産形成を両立するという挑戦の末に誕生したこの町屋は、京都西陣の新たなランドマークとなることを目指します。

京都町屋再生プロジェクトの背景

—文化の再生へ向けた挑戦へ デザイナー李靜敏

京都の町屋は、街の歴史と文化を語る上でとても象徴的な存在です。しかし、老朽化や保存の難しさから、多くの町屋が取り壊され、地域の記憶が失われつつありました。こうした現状に対し、私たちはこのプロジェクトを単なる建物の再生にとどめず、「文化の再生」として位置づけ、未来への財産として町屋を活用する道を模索しました。

そんなプロジェクトを支えたのが、「利回り不動産」のクラウドファンディングでした。全国から多くの投資家がこの理念に共感し、共に歴史的建築物を未来へ蘇らせる一翼を担い実現することができました。

設計監修を手掛けたのは、台湾を拠点にアジア各国で活躍する建築家、李静敏(リー・ジンミン)氏です。李氏は襲園グループを率い、日常生活に美を取り入れる「生活美学」を提唱しています。そのデザイン哲学は、唐時代(618年~907年)の建築様式や美学、日本独自の「侘寂(わびさび)」や禅の精神に深く根ざしており、素材と光を巧みに取り入れることで、自然と調和する空間美を生み出しています。李氏のインタビューと工事の様子を動画でご覧になれます。

生まれ変わった町屋をご紹介します。

【1F】歴史を受け継ぎ、新たな賑わいを生む空間へ

かつて卵屋として親しまれていた一階部分は、時代を超えて新たな役割を担う場へと生まれ変わりました。ここは、アート・文化・食をテーマに、多彩なイベントが開催できるマルチスペースとして活用されます。

歴史ある町屋の趣を残しながらも、現代のクリエイティブな活動が息づく場へ。アート展示やワークショップ、季節ごとのポップアップレストランや茶会など、さまざまな交流が生まれる拠点となります。

京都の町屋文化が、過去から未来へと繋がる場として、新たな賑わいを生み出す空間へと進化しました。

【2F】心を整えるリトリートスペース

風情あふれる坪庭の望むかつての町屋の趣を活かしつつ、二階部分は茶室やイベント参加者のためのリトリートスペースとして生まれ変わりました。
静寂に包まれたこの空間は、都会の喧騒を忘れ、心を整えるひとときを過ごせる特別な場所。茶を嗜みながら、ゆるやかに流れる時間を楽しむもよし、イベントの合間に静かに佇むもよし。自然素材に囲まれた心地よい空間が、訪れる人々に深いリラックスをもたらします。
まさに「時を忘れる町屋の隠れ家」。ここで過ごす時間が、訪れる人々にとって特別な余白となる空間へ。

歴史を生かし、未来へ紡ぐ

築126年の町屋の姿を可能な限り尊重し、伝統的な工法と素材を最大限に活用しました。
例えば建具の開口は、当時の高さ(約180㎝)を踏襲。モダンな中にも日本家屋らしい落ち着いた雰囲気やぬくもり、当時の暮らしの感覚を体感できる空間設計へと当時の設計や文化引き継いでいます。

しゅうえんまちや 利回り不動産 北野商店街

壁面は全て左官で仕上げ、クロスをいっさい使わない伝統的な職人の手仕上げにこだわっています。天井を見上げると大きな柱は、オリジナル部分を残して修復をかけ、職人たちの技術の息吹を感じられる仕上がりに。

伝統工法で蘇る木材の力

太い梁や柱は、伝統工法で丁寧に補修され、新たな生命を宿しました。

しゅうえんまちや 利回り不動産 北野商店街

美しさと機能性の融合

昔ながらの職人技が息づく町屋の魅力はそのままに、現代の快適さをプラスしました。吸湿性に優れた漆喰壁の風合いを大切にしつつ、最新の断熱素材を取り入れることで、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境を実現。さらに、天窓から降り注ぐ自然光が、時間とともに異なる表情を生み出し、四季折々の美しさを楽しめる空間へと進化しました。

町家づくりの高い吹き抜けを生かした新たなアート×イベント空間—

町屋ならではの通り庭(とおりにわ)と火袋(ひぶくろ)を活かし、開放感あふれるギャラリースペースを設けました。高く吹き抜けた設計によって、光と風が巡る心地よい空間へと生まれ変わりました。さらに、奥庭へとつながる大きな開口部を設けたことで、内と外がゆるやかに繋がり、自然と調和する美しい景観を楽しめます。

また、町屋のもう一つの魅力であるいく奥行きを活かし、入り口スペースには多目的な「生活美学」の場を新設。ここでは、ポップアップレストランとして食や茶を楽しむ空間としての活用も可能です。アート、食文化、人々の交流が交差し、新たなコミュニティが生まれる場として、この町屋が未来へと続く拠点となることを目指しています。


和紙職人でアーティストとして活躍する・ハタノワタル氏の手仕上げ和紙を贅沢に

この町屋の再生にあたり、和紙作家・ハタノワタル氏による手仕事の和紙を、天井や壁面にふんだんに使用しました。一枚一枚、丹精込めて仕上げられた和紙は京都の綾部を中心に発展する800年以上の歴史を持つ「黒谷和紙」。職人の息遣いが感じられる繊細な表情を持ち、光の加減によって異なる質感を見せてくれます。
和紙ならではの柔らかな風合いは、空間に温もりと奥行きをもたらし、まるで時間の流れまでがゆったりと感じられるような、静謐で美しい雰囲気を生み出します。手漉きの不均一な質感が、木や漆喰との調和を生み、日本建築の持つ繊細な美意識を際立たせています。

自身と向き合う空間

静かな心の安らぎを提供するメディテーションスペース。京都の歴史と静寂の中で、自身と向き合う贅沢な時間。

126年の記憶を未来へ—町屋の伝統と現代の快適性を融合した設計

伝統を受け継ぎながらも、現代のライフスタイルに応える空間へ――。
二つの和室フリースペースと洋室には、町屋の歴史を刻む太い柱をそのまま残し、古き良き意匠を活かしながら、快適な暮らしを実現するための設計を施しました。ここには、126年の時を超えて受け継がれてきた町屋の記憶が息づいています。

また、2階のすべての部屋には床暖房と二重サッシを完備。京都特有の厳しい冬でも、室内は穏やかな温もりに包まれ、快適に過ごせる環境を整えています。

この町屋が、過去と未来をつなぐ場所として、これからも愛され続けることを願い、歴史と現代の機能美が融合した空間へと再生しました。126年の記憶を次の時代へと受け継ぎ、新たな物語が生まれる場所となることを目指しています。

このプロジェクトが形になったのは、利回り不動産のクラウドファンディングに参加いただいた投資家の皆様おひとりおひとりの支えがあったからこそ。資産形成とともに、地域の活性化や文化の保存に貢献できる、新しい投資のかたちとして全国から多くの共感と支援が寄せられました。
完成した町屋は、食・文化・アートが交差する新たなハブとして、地元の方々はもちろん、京都を訪れる観光客にも愛される存在となることを目指しています。北野天満宮のすぐそばという立地も相まって、この場所が京都の新たなランドマークとなることを強く感じています。
今回の町屋再生プロジェクトは、単なる歴史的建造物の保存にとどまらず、「地域に新たな価値を生み出すことこそが、真の文化継承である」という考えのもと進めてきました。そして、この取り組みは、町屋が持つ可能性を再発見し、地域の未来をともに描く新たな挑戦でもあります。
利回り不動産は、これからも社会貢献と資産形成を両立するプロジェクトを展開し、日本の未来を支える新しい投資モデルを提案していきます。
この町屋が、新たな歴史を刻む出発点となることを願っています。

最後までご覧いただきありがとうございました。
そではまた次のブログで。

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ZENGO CHENRIMAWARIBLOG編集責任者
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