利回り通信Vol.10 沖縄の伝統模様「琉球びんがた」の保存や活用を通じて伝承活動を行う岡本さんに話を伺いました。 | 利回り不動産《RIMAWARIBLOG》

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利回り通信Vol.10 沖縄の伝統模様「琉球びんがた」の保存や活用を通じて伝承活動を行う岡本さんに話を伺いました。

2024/08/20

更新日 2024年8月21日

とうしろう
本日は、琉球びんがたの保存と伝承について活動されている岡本幸樹(おかもと・こうき)さんにお話を伺います。まず、岡本さんが琉球びんがたに関わるようになった経緯を教えていただけますか?

岡本幸樹:
私が琉球びんがたに興味を持ったのは、琉球びんがたを代々継承する職人さんと沖縄出身の友人を通じ知り合い、その活動をサポートする中で沖縄の伝統文化に深く魅了されたことがきっかけです。沖縄には独自の歴史や文化があり、その中でも琉球びんがたは特に際立った存在です。私は日本の伝統文化を今の時代にあうビジネスモデルに取り入れ、産地がしっかりと稼ぐことでその文化を次世代に繋げていくことを使命と考えており、琉球びんがたは工芸の知的財産権を活用したプロジェクトとして2019年から活動しています。

とうしろう
琉球びんがたは非常に美しい染め技法ですが、課題に直面していると伺いました。

岡本幸樹:
琉球びんがたは、14世紀頃に中国から伝わった染色技術を基に、琉球王朝時代に独自の発展を遂げた染物技法です。その美しい色彩と緻密なデザインは、王族や士族の衣装として用いられ、沖縄の文化と歴史を象徴する存在となりました。特に、琉球びんがたのデザインには自然や風景、動植物などが描かれ、琉球の豊かな自然環境と深く結びついています。

江戸時代には、献上品としても重宝され、琉球王国の経済を支える重要な産業の一つとなりました。しかし、19世紀後半の琉球王国の滅亡や、第二次世界大戦による壊滅的な被害を受け、琉球びんがたの産地は一時的に衰退しました。それでも、当時の職人たちの手によってその技法は受け継がれ、再び復興を遂げました。

現代においても、琉球びんがたはその独特な美しさと技法を保ちながら、沖縄の伝統的な工芸品として重要視されていますが、ライフスタイルの変化等による需要の減少といった課題に直面しています。

これに対して、私たちは伝統を守りつつ、新しい市場を開拓することが必要だと考えています。琉球びんがたを未来に残すためには、その魅力をより多くの人々に伝え、沖縄の観光をはじめとする経済発展と共に琉球びんがたの価値をしっかりと産地に利益として循環させることが不可欠です。

(一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアムHPより)

とうしろう
岡本さんは、琉球びんがたの保存と発展に向けて具体的にどのような取り組みを行っていますか?

岡本幸樹:
琉球びんがたの魅力をより多くの方に伝えるため、琉球びんがたの型紙・染物を著作権(知的財産権)として様々な沖縄県内の事業会社様と一緒にデザインとして活用頂けるような取り組みを行っています。
例えば、琉球びんがた工房や職人と連携し、文化庁への著作権登録を行うこととあわせ、琉球びんがたのデザインライセンス事業の提案を行っています。また、琉球びんがたのデザインを、お土産品のパッケージをはじめ、ホテルのアメニティや内装デザインに取り入れるなど、多くの方が目にしやすい空間での活用を進めています。さらに、航空会社様とは飛行機のシートにつけているヘッドレストカバーに琉球びんがたのデザインを採用して頂き、そのデザインを機内誌で紹介し、同様のデザインを纏ったお土産品を機内で購入できるといった総合的なプロモーション戦略も展開しています。

(一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアムHPより)

とうしろう
地域社会との連携についてはどうお考えですか?

岡本幸樹:
伝統工芸などの文化を次世代に繋げる取り組みにおいて、地域の人々と行政、企業との連携は不可欠だと考えています。地域にある伝統工芸産地の課題やその魅力などに関する情報を共有し、行政側ではその課題を解決するための政策に取り組むことで、地域の企業も伝統工芸産地の課題解決事業に取り組みやすくなるなど、協力体制を地域のなかで築くことができます。

とうしろう
素晴らしいお話をありがとうございました。最後に、読者へのメッセージをお願いします。

岡本幸樹:
伝統工芸の魅力は、可能であればその地域に行って産地や工房を実際に見ることでより深く感じられるものだと思います。日本各地の多様な面々と続く工芸文化と、その文化を紡ぐ職人たちの技術や想いを知ることにより、日本の魅力を再発見し、各地に赴く旅がより楽しくなるでしょう。琉球びんがたをはじめ、沖縄の伝統工芸品においても、これからもその魅力が途絶えることなく輝き続けることを願い、少しでもその一助となるような取り組みを続けていきたいです。

利回り不動産とのタイアップ企画

今回、利回り不動産沖縄プロジェクト(第60号ファンド)にご賛同いただきました。沖縄の素晴らしい伝統工芸「琉球びんがた」(りゅうきゅうびんがた)を広めることで、地元の地場産業の活性化に寄与できればと思い、琉球びんがたをモチーフにした製品を抽選プレゼントとしてご用意いただきました。

【琉球ハーバルティ 】mee-nachi(めーなち)


【najimu】バンブータンブラー  ブーゲンビリア(藍色)


岡本幸樹さんが代表を務めるピハナコンサルティングの活動について

「あたりまえ」に命を吹き込み、
世界にワクワクする体験を提供

日本の生活を支えているのは、多くの代わりがない優れた文化や技術です。ものづくりにおいては、陶器、磁器、漆器、布、染め物、木工品、食品……私たちは何世代にもわたり、それらを「あたりまえ」のように使って、日本の文化を次の世代に伝えてきました。それらには、日本各地の文化や風土の特性が随所に現れています。いずれも、作り手が身を削り、「あたりまえ」のように魂を注ぎ込んで作り続けてきた長い歴史があります。作り手の命が尽きても、文化や技術は生き続け、代々受け継がれてきました。
しかし、近年、それら日本各地で伝えられてきた文化や技術が、誰にも気づかれずにひっそりと姿を消しています。理由は多くありますが、時代の変化や経済的な理由に集約されます。
私たちピハナコンサルティングの使命は、日本で「あたりまえ」とされていた文化や技術を継承するお手伝いをし、その価値を世界中に広めていくことです。ピハナコンサルティングのDNAは、財務会計から事業継承に取り組むことにあります。世の中の流れを数字から読み解き、事業の価値を見出し、技術やブランド価値など、形に現れないものを数値化できることを強みにしています。
会社を立ち上げてからずっと、伝統が培ってきた文化や技術と、時代のニーズを結実させるビジネスモデル作りに注力してきました。プラン段階では、現場で働く人々の生の声を聞き、世の中のニーズを分析し、プランの推敲を重ねてきました。ビジネスモデルを提案してからは、多くの人の手に届けるために、弊社独自の数百の企業ネットワークから適切に選定した企業へ働きかけ、さまざまなコラボレーションを実現してきました。いずれも、技術や製品・サービスを学び、それらにしかない特性・価値を考え、わかりやすく伝えることを追求し続けています。
「あたりまえ」にありつづけたものが、時代に合わせて形を変え、現在の世界をワクワクするものに変えていく……こんな驚きと喜びを、これからも創造していきます。



プロフィール
岡本幸樹(株式会社ピハナコンサルティング代表取締役CEO)
2005年、早稲田大学卒業後、大手会計事務所にて企業価値評価・無形資産価値評価業務を担当。2011年にピハナコンサルティングを設立し、日本の伝統文化の新たなビジネスモデルを構築支援するとともに、政府の観光関連事業にも携わる。一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアム東京事務所代表。工芸産地紹介メディア「クラフトレター」編集長。


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ZENGO CHEN
ZENGO CHENRIMAWARIBLOG編集責任者
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