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ナフサ不足が不動産業界に与える影響を予測
更新日 2026年5月20日
「ナフサ不足が住宅業界に影響しているらしいけど、不動産業界にも影響はあるのだろうか?」
「不動産投資を検討中だけど、ナフサ不足でどんな影響があるか知りたい」
このような疑問をお持ちの方に向けて、この記事では、ナフサに関する基本知識をはじめ、ナフサ不足が不動産業界に与える影響の予測などを分かりやすく解説いたします。
1.そもそも「ナフサ」とは?なぜ不足しているのか?
「ナフサ」とは?
ナフサはひと言でいうと、「プラスチックや接着剤の原料」です。
ナフサは原油からできており、原油を重さごとに分離することで作られるモノの一種をさします。
- 一番軽いものが……「ガス」
- その次に軽いものが……「ナフサ」
- もっと重くなると……「ガソリン」「灯油」「重油」
さらにナフサは化学的に加工をすることで、プラスチック、ビニール、合成ゴム、接着剤、塗料といった「身の回りのあらゆるモノ」に形を変えることのできる万能な原料です。
なぜ今「ナフサ不足」が起きているのか?
理由は様々ありますが、世界情勢の不安定化やナフサの取り合いが起きていることが主な原因として挙げられます。
・世界情勢の不安定化(戦争や対立)
日本はナフサの原料となる原油の多くを海外(特に中東や近隣諸国)からの輸入に頼っています。 しかし、戦争や国同士の対立が起きると、「戦争の影響を受けた海域で、原油を運ぶタンカー船が通れず、ナフサの原料の原油が運べない」という事態に繋がります。現在、イラン戦争が原因で、タンカー船がホルムズ海峡を通れず、日本に届く原油の量が減少しています。これに伴い、日本国内でナフサ不足が話題になっています。
・ナフサの取り合いが起きている
日本国内での原油の供給は、世界情勢の不安定化によって減少していますが、需要は大きく変わっておりません。そのため、限られた原油の取り合いになり、原油から作られるナフサ不足に繋がっていると考えられます。
2.ナフサは不動産にどのように使われているか?
「不動産と、『ナフサ』に何の関係があるのか?」と思われる方も多いかもしれません。しかし、現代の建築物においては鉄骨やコンクリートといった構造体以外のほぼすべてにナフサが関わっています。そのため不動産業界に影響を及ぼす可能性があると言われています。
皆さんが普段過ごしている自宅やオフィスの室内を思い浮かべてみてください。壁に貼られたクロス(壁紙)、足元のカーペットやビニル床材など、実はこれらの建材のほとんどが、もとをたどればナフサが原料に使われています。
さらに重要なのが、これら建材を建物に固定し張り付けるための「接着剤」です。接着剤はその製造過程においてナフサが主な原料として使われています。特に、内装の仕上げにおいて接着剤が不要な箇所はほとんど存在しません。
つまりナフサ不足は、建物の内装用建材やそれらを固定する接着剤の供給に影響を及ぼし、結果として不動産業界全体にも波及する可能性があります。
3.ナフサ不足が不動産業界に与える影響
ナフサの基礎知識と不動産業界との関係性をご理解いただけたかと思います。以降は具体的にナフサ不足が不動産業界にどのような影響を与えるのかを、3つのポイントから解説いたします。
①新築物件の価格上昇
ナフサ不足が不動産業界に与える最初の大きな影響は、「新築物件に使われる建材価格の高騰」と「工期の長期化による新築販売価格の上昇」です。
供給不足による建材価格の高騰
世界的な情勢の不安定化によって、ナフサを原料とする建材の供給が絞られています。その一方で、住宅やオフィス、宿泊施設などの建設の需要は依然高いままです。これに伴い建材の需給に大きなずれが生じ、建材メーカーは原材料の高騰分を製品の値段に反映せざるを得ず、塗料やコーティング剤、カーペット材やクロス壁紙といった主要な建材で、大きな値上げが相次いでいます。
供給の不安定化による工期の長期化
「供給が不安定になったことで、十分な接着剤の在庫を確保できず、工事予定日に届かないために、壁紙が貼れず工期が長引く」という事態が発生することが予想されます。建材や接着剤の納期の遅延によって工事の完了が予定よりも数ヶ月単位で遅れ、その分、現場の管理費や人件費が膨らみ、新築物件価格の上昇につながる可能性があります。
②中古物件への価格波及
ナフサ不足への影響は新築物件だけでなく、中古物件にも波及すると考えられます。「新築は高い上に、いつ建つか不安」という心理が働けば、自然と中古物件に注目が集まります。
中古物件の価格上昇
新築物件の価格が上がると、予算内で買えなくなってしまう人が増加する可能性があります。そうすると次の購入の候補に上がるのは中古物件です。購入需要が増加し、建物の供給が増えない状態だと、中古物件の価格も上昇することが予想されます。
リノベーション費用も高騰することに注意
中古物件のリフォームに使われる建材、接着剤にもナフサが原料として使われています。 これらのリフォームに必須の建材も値上がりしているため、「安く買って安く直す」という従来の手法が通用しにくくなる点には留意すべきでしょう。結果的に中古物件でも想定より高いコストを払うことになってしまう可能性があります。
③賃貸物件の賃料上昇
不動産価格の高騰は、新築・中古の物件だけでなく賃貸物件にも影響を与えることも予想されます。
新築や中古の購入を断念、あるいは延期を決めた方は、賃貸物件に住むことを候補にすると考えられます。また、建築コストの高騰により新規の賃貸物件の供給が増え辛いため、現状のナフサ不足の混乱が続けば、賃貸市場も慢性的な「供給不足」の状態になると予想されます。結果、需給バランスが崩れて賃料上昇につながる可能性があります。
4.ナフサ不足を踏まえて投資家が今考えるべきこと
こうしたナフサ不足による不動産業界への影響に対して、投資家はどのように考えるべきでしょうか。3つにわかりやすくまとめてみました。
① 収益が安定した「稼働済み中古物件」への投資を検討
これから新しく建てるリスク(コスト増・工期遅延)を負うよりも、既に安定して稼働している物件への投資の方が比較的リスクは低い傾向にあります。国際情勢をはじめ、市場動向が読み辛い今だからこそ、手堅く稼働している中古物件への投資を検討することは一つの手段です。
② リフォーム済みの物件を探す
これからナフサが原料とされる建材を使ったリフォームが必要な物件は、ナフサ不足による建材、接着剤のコスト増の影響を受けやすいですが、既にリフォームが完了している物件は、その影響を受けません。中古物件への投資を検討する際に「リフォーム済か?」「いつリフォームしたのか?」をチェックし、コスト増の影響を受けるかどうかを確認してみてください。
③修繕に必要な建材にナフサが含まれているかをチェック
これからリフォームが必要な物件であっても、「何を使ってどこを修繕するか?」によってナフサ不足によるコスト増の影響度は異なります。
例えば、外壁塗装に用いる塗料や、浴室の壁材を固定する接着剤などは、ナフサを主原料とする建材、接着剤が多く使用されており、影響をダイレクトに受けやすい建材です。
一方で、エレベーター(昇降機)の整備や、外壁タイル、構造内部の無機系断熱材、漆喰などの塗り壁は、ナフサへの依存度が低いものが中心となります。
このように「どこに何を使って修繕するのか」を把握し、コストがかかる不動産かどうかを確認したうえで投資判断することがポイントです。
※参考:リフォーム済物件に投資する一例
不動産クラウドファンディングではリフォーム済み物件を投資対象としているものもございます。 過去に「利回り不動産」が募集した73号ファンド(北海道千歳市マンション第2回)」はナフサ不足が発生する前にバリューアップ(リフォーム)工事を完了しています。
不動産クラウドファンディングであれば、このような物件を探し出し、1口1万円から少額投資をすることが可能です。73号ファンドは募集がすでに終了していますが、投資先の一例としてご参考にしていただければ幸いです。
5.まとめ
この記事では、ナフサの基礎知識から、ナフサ不足の原因、不動産業界への関わりや影響についてご紹介させていただきました。
ナフサ不足が不動産業界に与える影響
- 新築:建材費用高騰と工期長期化による価格上昇
- 中古:新築物件の価格上昇に伴う、中古物件への価格波及
- 賃貸:受給バランスのズレに伴う賃料上昇の可能性
また、「不動産投資家が今考えるべきこと」として下記3点を挙げさせていただきました。
- 収益が安定した「稼働済み中古物件」への投資を検討
- リフォーム済みの物件を探す
- 修繕に必要な建材にナフサが含まれているかをチェック
本記事が皆様の投資の判断材料としてご参考になれば幸いです。
※免責事項: 本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。
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